こんにちは。VETS CHANNEL事務局の小川名です。

今回はこちらの論文「犬の小腸腫瘍における腫瘍浸潤の程度に関する評価」を紹介いたします。
軟部組織外科の基本を見直す!~小腸の外科~と合わせてご活用ください!
第1部:https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1003935/
第2部:https://e-lephant.tv/vets-ch/vetspay/1003937/

【犬の小腸腫瘍における腫瘍浸潤の程度に関する評価】

現在、犬の小腸腫瘍のサージカルマージンを決定する際に、エビデンスに基づくガイダンスが不足している。本研究の目的は、小腸腫瘤に直面した際に、外科医がマージンについて十分な臨床的判断ができるようにすることである。

犬の小腸腫瘍27例を病理組織学的に診断し、さらに触知可能な腫瘍の端から外科的断端まで1cmごとに口側、肛門側、腸間膜側で組織学的評価を行った。

癌腫10例のすべてにおいて、口、肛門、腸間膜の各方向の組織マージンが3cmあれば、腫瘍の完全切除が可能であった。肉腫11例のすべてにおいて、口腔、腹腔、腸間膜の各方向に2cmの組織マージンがあれば、完全切除が可能であった。また腸管リンパ腫では、6例のうち5例において、完全切除のために4cm以上の組織マージンを必要とした。

この研究で評価された21例の非リンパ腫のうち、腫瘤を触知可能な端から3cmの組織マージンで21例すべて(100%)、腫瘤の触知可能な端から2cmの組織マージンで20例(95%)、口および肛門方向で腫瘤の触知可能な端から1cmの組織マージンで16例(76%)が、完全切除を達成していた。

以上より、非リンパ腫の犬の小腸腫瘤は、ホルマリン固定後、腫瘤の触知可能な縁から口および肛門方向に3cmの組織マージンがあれば、すべて完全に切除されることになる。

Evaluation of the extent of neoplastic infiltration in small intestinal tumours in dogs.

Morrice, M., Polton, G., Beck, S.

Vet. Med. Sci., 2019; 5(2): 189-198.

PMID: 30779310