こんにちは。VETS CHANNEL事務局の小川名です。

今回は、こちらの論文「犬の異物誤飲におけるトラネキサム酸誘発性嘔吐に対する静脈内投与の安全性と有効性」を紹介いたします。

クリスマスやお正月といったイベント時期、誤食を主訴に緊急来院、すぐに催吐処置を!なんていうのは動物病院あるあるですね。この催吐処置に関して、2017年に麻布大学の折戸 謙介先生が報告された論文になりますので、ぜひこの機会にご一読ください。

【犬の異物誤飲におけるトラネキサム酸誘発性嘔吐に対する静脈内投与の安全性と有効性】

犬の臨床医学において、トラネキサム酸の催吐作用と副作用を評価するために、前向き観察研究を行った。
獣医師は、異物を誤食した137頭の犬に対して、トラネキサム酸を単回投与(50mg/kg、静脈内)した。必要に応じて2回目(中央値50 mg/kg、範囲20~50 mg/kg、静脈内)または3回目(中央値50 mg/kg、範囲25~50 mg/kg、静脈内)の投与を行った。
トラネキサム酸は137頭中116頭(84.7%)に嘔吐を誘発した。嘔吐開始までの時間の中央値は116.5秒(範囲26~370秒)、嘔吐の持続時間の中央値は151.5秒(範囲30~780秒)、嘔吐回数の中央値は2回(範囲1~8回)であった。トラネキサム酸の2回目および3回目の投与では、それぞれ64.7%および66.7%の犬で嘔吐が誘発された。合計で137頭中129頭(94.2%)の犬にトラネキサム酸の静脈内投与で嘔吐を誘発することができた。副作用として、強直間代性痙攣が1頭および止血障害が1頭で認められたが、いずれも治療を受けて回復した。
トラネキサム酸の単回投与でほとんどの犬が嘔吐を起こした。単回投与で十分でない場合は、追加投与により効果的に嘔吐を誘発した。全体的に副作用は少なく、自己限定的であると考えられた。

Safety and efficacy of intravenous administration for tranexamic acid-induced emesis in dogs with accidental ingestion of foreign substances

J Vet Med Sci. 2017 Dec 22;79(12):1978-1982.

PMID: 29093310