こんにちは。エレファントTV事務局の小川名です!

VETS CHANNELでは今月から眼科コンテンツが「眼」白押し!
本日は眼科に関する論文をご紹介します。

【眼科的に正常な犬におけるネオマイシン-ポリミキシン-バシトラシン局所製剤による治療前後の細菌性眼表面マイクロバイオームの評価】

・Abstract

 動物種の眼表面マイクロバイオームは、研究の大部分が伝統的な培養に基づく技術を利用しているため、次世代シーケンシング (NGS) のような分子に基づく技術を用いて完全には特性化されていない。現在までに、NGSを用いて健康なイヌの眼表面を評価したパイロット試験が1報ある。さらに抗生物質の局所投与後の眼表面マイクロバイオームの経時的変化は不明である。
 本研究の目的は、臨床的に正常なイヌにおける眼表面マイクロバイオームの細菌組成を評価し、微生物群集の変化が経時的または局所抗生物質療法後に起こるかどうかを判定することであった。
 13頭の成犬の片眼にネオマイシン‐ポリミキシン‐バシトラシン眼軟膏を1日3回、7日間塗布した。抗生物質治療前 (0日目) 、治療開始1週間後 (7日目) および治療中止4週間後 (35日目) に、両眼の下結膜円蓋からスワブによって検体採取した。ゲノムDNAを結膜スワブから抽出し、細菌の16S rRNA遺伝子のV4領域を標的とするプライマーを用いてアンプリコンライブラリを作製し、Illuminaプラットフォーム上で配列決定した。データはQIIME2.0を用いて分析した。
 ベースライン時に配列決定された最も相対的に豊富な「門」は、Proteobacteria (49.7%) 、Actinobacteria (25.5%) 、Firmicutes (12%) 、Bacteroidetes (7.5%) およびFusobacteria (1.4%) であった。また、検出された最も一般的な「科」は、Pseudomonadaceae (13.2%) 、Micrococcaceae (12%) 、Pasteurellaceae (6.9%)、 Microbacteriaceae (5.2%) 、Enterobacteriaceae (3.9%) 、Neisseriaceae (3.5%)、 Corynebacteriaceae (3.3%) であった。αおよびβ多様性の測定値は、対照眼と治療眼のいずれにおいても経時的な差は認められなかった。
 本研究ではイヌ眼表面マイクロバイオームの経時的安定性を検討した。イヌの眼表面上の主要な細菌分類群は、時間経過および局所抗生物質療法後も一貫していた。

・補足

ネオマイシン:アミノグリコシド系抗生物質
ポリミキシンB、バシトラシン:ポリペプチド系抗生物質

Evaluation of the bacterial ocular surface microbiome in ophthalmologically normal dogs prior to and following treatment with topical neomycin-polymyxin-bacitracin
Rogers CM et al. PLoS One. 2020
PMID: 32516320

今後も定期的に論文アブストラクトをご紹介していきますのでお楽しみに♪