こんにちは。エレファントTV事務局の小川名です!

本日は 論文紹介の第3弾、猫のうっ血性心不全の論文をご紹介いたします!

【猫のうっ血性心不全 トラセミド耐性】

【背景】
うっ血性心不全 (CHF) のイヌでは、ループ利尿剤トラセミドの効果が示されている。しかしイヌやヒトとは異なり、自然発生性CHFネコにおけるトラセミドの使用についてはほとんど報告されていない。本後ろ向き研究の目的は、自然発生性CHFネコに対する標準的な薬物療法に加えて、トラセミド経口投与後の臨床経過を記録することにより、トラセミドの治療的使用の評価および潜在的な有害作用を立証することであった。
【結果】
トラセミドを投与されたCHFを有するネコ21例(年齢中央値=10.6[四分位範囲(IQR)=6.5-11.2])の診療記録をレビューした。収集したデータには、トラセミドの用量、他の併用薬、身体検査上の特徴、心エコー検査データ、および追跡調査中の潜在的有害作用が含まれた。生存分析をおこない、診断から心停止までの時間を推定した。CHFに関連した呼吸困難は全21例(胸水8例、肺水腫5例、両方8例)で認められ、4例は腹水との関連が認められた。心エコーにより全例のCHFの原因を同定した(肥大型心筋症1例、拘束型心筋症6例、不整脈原性右室心筋症3例、拡張型心筋症1例および大動脈弁異常1例)。
投与開始時のトラセミド用量の中央値は0.21 mg/kg [IQR=0.17-0.23]、SIDであった。臨床徴候は最初の2週間でほとんどのネコ(20/21例)で低下し、顕著な有害事象はなかった。トラセミド処方後の生存期間中央値は182日[IQR=46-330]であった。
単一のループ利尿薬としてフロセミドを投与した54匹のCHFネコを含む同時期の対照群を本研究のトラセミド群と比較した。対照群の生存期間中央値[IQR]はトラセミド群の148日[9-364]と有意差はなかったが(p=0.962)、CHFの再発エピソードを有するネコは対照群 (19%) よりもトラセミド群 (52%) に有意に多くみられた。
【結論】
この症例シリーズは、トラセミドが自然発生性CHFのネコで使用できることを示す。

Tolerance of torasemide in cats with congestive heart failure: a retrospective study on 21 cases (2016–2019)

BMC Vet Res. 2020; 16: 339.

PMID:32938442

次回の論文紹介もどうぞお楽しみに!