こんにちは!エレファントTV事務局の小川名です。

8月10日、VETS CHANNELにアップ予定の「脾臓破裂」の公開に合わせて今回はこちらの論文「 手術的に腹腔内出血を治療したイヌにおける術中および術後出血に対するトラネキサム酸の効果」を紹介いたします。

腹腔内出血による出血性ショックについてより深く学ぶことができますので、ぜひ「脾臓破裂」の動画とあわせてご覧ください!

トラネキサム酸 (TXA) は、様々な起源のコントロールされていない出血に使用される抗線維素溶解薬である。外科的に腹腔内出血を管理したイヌの出血傾向に対するトラネキサム酸投与の効果を遡及的に検討した。
30匹のイヌは手術前投与群 (TXA群) および25匹のイヌは無投与群 (CTR群) として治療した。種々のパラメータ(ヘマトクリット値の低下、輸血回数、ショックインデックス、腹水貯留量の変化)を出血傾向の特徴づけに用い、群間で比較した。発症時および手術前の群は同様であった。
回転トロンボエラストグラフィー分析を行ったイヌのいずれも、術前に線維素溶解亢進を示さなかった。総輸血量、赤血球輸血量、出血傾向、入院期間、退院率は両群間で同様であった。TXA群のイヌは有意に多くの術中血漿輸血を受け (P=0.013) 、より高い収縮期および平均動脈血圧 (P=0.002および0.050) とより低いショック指数 (P=0.028) を示し、より少ないイヌは24時間でショック状態にあった (P=0.012) 。

【結論】本研究では、トラネキサム酸で治療された外科的に管理された自然腹腔内出血のイヌの集団は、術中により多くの血漿輸血を受け、発症後24時間でより低いショック指数を示した。外科的に治療されたイヌにおいて、術前に血液腹部トラネキサム酸を投与しても、赤血球輸血の必要性または術後出血傾向は減少しない。